タイルと釉薬について
タイルや陶器など、セラミック製品の大きな魅力のひとつといえば、釉薬(ゆうやく/うわぐすり)による、個性豊かで深みのある色彩表現でしょう。釉薬は、種類や組み合わせだけでなく、様々な条件で、豊かな表情を見せてくれます。今回は、そんな「釉薬」についての知識をご紹介したいと思います。
- ※この記事は「News Letter Vol.3」の内容を再編集したものです。
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釉薬とは?
タイルの表面を覆うガラス質の被膜のことを「釉薬(ゆうやく/うわぐすり)」と言い、表面に釉薬を施されたタイルを「施釉タイル」、釉薬が施されていないタイルを「無釉タイル」と呼びます。
無釉タイルが素地そのものの色になるのに対して、施釉タイルは表面に施す「釉薬」がタイルの色を作ります。また、釉薬は色・ムラ・ツヤなど、光沢や味わいを出すほか、コーティングすることで吸水性を抑えたり、割れにくくしたり、汚れが付きにくくするといった「清掃性」にも優れた実用性を兼ね備えています。
釉薬は、何からできているの?
釉薬の成分は、主に以下のようになります。
「粘土(※)・長石」+「珪石(ガラス)」+「色の成分(顔料・金属酸化物)」
※粘土の成分は、主に「アルミナ(接着成分)+ 長石 + シリカ(ガラスの素)」からできています。
釉薬と素地粘土の成分が似ているので、上手く一体化できるのですね。
釉薬には、どんな種類があるの?
釉薬には様々な種類があり、区分の仕方もそれぞれです。材料名や性質、燃焼方法や温度によってなど、様々な区分方法があります。以下の区分に限らず、いくつかの釉薬を組み合わせたり、調合の具合により、全く違う、バリエーション豊かな釉薬が作られています。
釉薬の掛ける回数や面状での表情の違い
同じ釉薬を使った場合でも、施釉の方法・条件の違いで、仕上がりは大きく変わります。
釉薬は、どのように作られているの?
釉薬の調合はとても繊細な作業です。希望通りの色を作ることは大変難しく、何度も微調整を行いながら決定していきます。
まとめ
いかがでしたか? 釉薬は、その種類の組み合わせだけでなく、素地の面状との相性や焼成温度、成分による化学変化の偶然の効果などで、その色の表情は無限に広がります。
タイルの色・ムラ・表情を眺めながら、どんなふうに作られているか想像すると、タイルを見る愉しみが更に増しますね。是非、あなたのお気に入りのタイルを探してみてください。
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