設備紹介:切削加工機

エクシィズでは、お客様の多種多様な特注タイルのご要望にお応えするため、社内に様々な設備を準備しています。今回は、個性溢れる立体形状のオーダータイルを実現するための秘密兵器「切削加工機」をご紹介いたします。

切削加工機とは?

切削加工機は、刃の付いた工具を回転させ、素材を削ることで成形し、立体物を製作する機械です。「エンドミル」と呼ばれる刃の種類や、加工方法を使い分けることで、多種多様な立体物を製作することができます。

立体物の製作といえば、最近では3Dプリンタが人気ですが、切削加工機は、精度が非常に高く、切削面も滑らか。加工時間も比較的短時間なため、弊社の立体物製作では、とても重宝しています。

  • 弊社が使用している切削加工機「MM650neo」は、0.001mm単位の超高精度で加工可能です。

弊社では主に、立体形状の特注タイルのご依頼があった際、3Dモックアップを製作する用途で使用していますが、切削加工機の導入以来、立体形状タイルの特注案件が好評で、様々なお客様からお引き合いをいただいています。

そんな切削加工機を使った製作のようすを、実際の3Dサンプル製作の流れで見てみましょう。

切削加工の流れ

切削加工で立体サンプルを製作するおおまかな流れは、以下のようになります。

  1. 1. 3Dモデリング

    専用のソフトで、立体形状のデータを作成します。

  2. 2. CAMデータ作成

    作成した3Dモデルを、切削加工機で加工するための、設定や手順をまとめた出力用データ「CAM(キャム)データ」を作成します。

  3. 3. 切削加工

    切削加工機で素材を削り出し、立体物を出力します。


3Dモデリング~出力用データ作成

弊社では、3Dモデルの作成と、切削加工用の出力データ(CAMデータ)の作成には、Autodesk社「Fusion 360」を使用しています。モデリングデータは、お客様のご要望を元に、弊社にて作成することも可能ですし、もちろん、お客様の方で、STL形式などの3Dファイルをご用意いただいても問題ありません。

下の写真は、三角形と曲面を組み合わせた、立体形状タイルの3Dモックアップの製作例です。

  • 立体形状タイルの3Dモックアップを作成します。写真は、Fusion360にてモデリングデータを開いたところ。

  • 曲線が複雑に重なり合った細かい面状と、緩やかな曲面。積層型3Dプリンタなどでは、再現が非常に難しい形状です。

  • 切削加工の出力設定等を行い、シミュレーションを確認しながら、形状に最適な加工手順を煮詰めていきます。

  • シミュレーションを確認し、問題が無ければ、切削加工出力用の「CAMデータ」をファイルに書き出して、準備完了。


切削加工

CAMデータが完成したら、いよいよ切削加工機を動かします。素材を台座にセットし、位置調整や刃(エンドミル)の調整等を行ったら、作成したCAMデータを機械に読み込み、加工開始です。今回のサンプルは「約100×115×t12mm」でしたが、これくらいのサイズであれば、形状の複雑さや仕上げの精度にも拠りますが、2~3時間程度で完成します。

  • 今回は「ケミカルウッド」と呼ばれる人工木材で、3Dモックアップを製作します。

  • まずは、10mm径のエンドミルで粗削りし、大まかな形を削り出します。

  • 粗削りが終わったら、数種類のエンドミルを使い分け、徐々に精度を上げながら、仕上げていきます。

  • 最後の仕上げは1mm径(0.5R)のボールエンドミル。今回は0.1mmピッチで加工を行いましたが、時間を掛ければ、さらに高い精度で仕上げることも可能です。

様々な素材を加工可能で、曲面の仕上がりも滑らか

完成した3Dモックアップを見てみましょう。今回のサンプルは、曲面が複雑に重なり、高い精度が求められましたが、0.001mm単位で動作可能な切削加工機「MM650neo」なら、細部までしっかりと再現できました。

以前ご紹介した「積層型3Dプリンタ」では、緩やかな曲面の表現に課題がありましたが、切削加工では曲面も滑らかに仕上げられています。

  • 緩やかな曲面も、滑らかな仕上がり。今回の設定では、刃跡が残っている箇所が若干見られましたが、設定変更して精度を上げてやれば、それらも解消できます。

  • 積層型3Dプリンタ」で出力すると、曲面に樹脂層の跡が残ってしまいました。

実際の案件などでは、この3Dモックアップを原型にして石膏を流し込み、その石膏型をタイルサンプルの成形に使用します。切削加工機を導入し、3Dモックアップの精度が向上することで、より繊細で複雑な形状の特注タイルが製作可能になりました。


また、弊社所有の切削加工機は、石膏の切削にも対応しているので、石膏を直接加工し、石膏型を作ることもできます。簡単なものなら、社内で3Dモデルを作成し、切削加工機で直接石膏型まで製作できるため、低コスト&スピーディーに、タイルサンプルをご提供できるようになりました。

  • 切削加工機で製作した石膏型

  • 切削加工機で直接加工できてしまうため、工数が削減でき、よりスピーディーなご提案が可能になりました。

まとめ

いかがでしたか? 切削加工機を使えば、思い描いた形を、これまで以上に精細かつ繊細に再現することが可能です。使い方次第では、今まで見たこともない、新しいタイルのデザインが生まれるかも知れませんね!

切削加工機を使った特注タイルのサンプルをご希望の方は、是非、エクシィズまでお気軽にご相談ください。

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