タイルの面状について

タイルは、「施釉」の有無や、製法の違い、焼成方法の違いなどによって、様々なバリエーションがあることをご紹介しました。その他にも、タイル素地に「面状加工」を行うことで、タイルに表情を与える技法があります。今回は「面状加工」について見てみましょう。

湿式タイルの面状加工

真空押出成形機を使った湿式製法は、断面図で表せるタイル形状となるのが特長で、厚みのあるタイルの製造に向いています。また、成形後に二次加工によって面状を加えることで、様々な表情のタイルを作ることができます。

  • フラット面

    シャモットなどの骨材が少ない原料から形成されたフラットな面状。

  • ラフ面(粗面)

    押出成形時に素地を一皮剥いだもの。シャモットの大きさによって表面が引っ掻いたような粗い面になる。

  • ローラー面

    押出成形時に模様付きのローラーで石面や波面などの模様を付けたもの。

  • スクラッチ面

    押出成形機の口金に、釘状のものをセットし表面を引っ掻いたもの。

  • ブラッシュ面

    フラットな生素地に手作業でランダムな模様を加えたもの

  • クラフト面

    生素地の表面に土を塗りつけて、自然な風合いを出したもの。

  • ブラスト面

    焼成後、表面に鋼球や砂などを吹き付けて荒らしたもの。

  • 布面

    生素地に麻布を押し付けて、模様を施したもの。

  • ハツリ面

    乾燥素地の表面をノミなどで粗くはつったもの。

  • 割肌面(テッセラ面)

    乾燥した素地を二つに割って焼成したもの。

湿式タイルの特殊面状

口金の形状を工夫することで、表面凹凸を強調した、立体感のある、ユニークな面状のタイルを製作することができます。二次加工による面状加工と組み合わせれば、更にバリエーションの幅が広がります。

乾式タイルの面状加工

模様を付けた金型プレスで成形することで、様々なレリーフ状のデザインを作ることができます。寸法精度が安定しているため、全体に均一ですっきりとした印象になります。厚みのあるタイルや、彫りの深い面状には不向きです。

まとめ

いかがでしたか?
タイルの製作は、成形方法や施釉、面状加工、焼成方法などの組み合わせによって、無限のバリエーションが生み出せる、とっても奥が深いものです。そんなタイルの魅力を、これからもお伝えしていければと思います。

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