鋳込み成形について

今回は、石膏型に泥漿(でいしょう)と呼ばれる泥を注入し、やきものを成形する伝統的な製法「鋳込み成形」についてご紹介いたします。

ガバ鋳込み成形について

ガバ鋳込み(排泥鋳込み)は、古くから陶磁器製造の成形方法の一つとして用いられています。石膏による分割した割型の中に泥漿を流し込むと、石膏が水分を吸って、外側の泥漿が固まります。

乾いた泥漿が必要な厚みになったら、型を逆さまにし余分な泥漿を捨て、割型を外すと型どおりの形状に仕上がります。排泥する際、ガバッと捨てることから『ガバ鋳込み』と呼ばれます。

主に急須や花瓶など、立体的で内側が空洞の陶器を作るときに使われる製法で、現在この技術を持つメーカー・生地業者が少なくなりつつある、貴重な技術の一つです。

鋳込み成形の製造過程

  • 石膏型を湿らす。

    生地の馴染みをよくするため石膏型を湿らす。

  • 型を組み立てる。

    型を組み立てる。

  • 組み立てた石膏型。

    石膏型は使用するたびに磨耗し、水分の吸収力も低下するため、一つの型で100ケ程度製造するのが限界。

  • 原料となる粘土。

    原料となる粘土。

  • 撹拌機で泥漿(でいしょう)を作る。

    粘土と水を攪拌器にかけて、泥漿(でいしょう)を作る。

  • 泥漿は真空圧でメインタンクへ。

    濃度が調節された泥漿は真空圧でメインタンクに吸い上げられる。

  • 泥を型に流し混む。

    メインタンクから泥を型に流し混む。

  • 5分ほど放置。

    5分ほど放置。石膏型に水分が少しずつ吸収され、吸収された部分の粘土の濃度が濃くなっていく。

  • 余分な泥漿を流し捨てる。

    余分な泥漿を流し捨てる。

  • 30分程放置し表面を乾燥させて型から外す。

    30分程放置。表面の粘土が固まったら、型から外す。

  • 各パーツをくっつける。

    各パーツが、乾かないうちにくっつける。

  • 乾燥させる。

    乾燥させる。

  • 素焼きし、施釉。

    割型の跡(バリ)を綺麗に削り落としたのち、約800℃で素焼きし釉薬を塗布。

  • 本焼成して出来上がり。

    1,200℃以上の高温で本焼成したら出来上がり。

鋳込み成形のタイル

タイルにおいても、押出成形やプレス成形では作ることのできない立体的な形状を求められる際には、「鋳込み成形」が用いられることがあります。

重ねた石膏型の下から圧力を加えた泥漿を流し込む「圧力鋳込み」という方法で作られます。泥を捨てずに丸ごと乾燥させ、ほどよく固まった成形体を型から外して焼成します。型から外す作業やバリ取りを一つ一つ手作業で行うため、タイル製法の中でも非常に手間と技術が必要な成形方法です。

圧力鋳込み成形

  • クラシカル

    クラシカル」クラシカルはエッジがやさしく、素肌が触れる場所でも安心。

  • 石膏型を湿らす。

    侘び寂び陶板」は重厚で格調高い置き敷きタイル。

  • 鋳込み成形ならこんな立体的なタイルも。

    鋳込み成形ならこんな立体的なタイルも。

  • アイコニックなレリーフタイル。

    アイコニックなレリーフタイル。

  • 彫刻をほどこしたようなシンボリックなレリーフタイルは大学などの建築装飾に。

    彫刻をほどこしたようなレリーフタイルは大学などのシンボルに。

  • 文化財で使用される装飾的なテラコッタは鋳込み成形で作られます。

    文化財で使用される装飾的なテラコッタは鋳込み成形で作られます。

まとめ

いかがでしたか?鋳込み成形は非常に手間がかかりますが、複雑な形状を作り出せるため、やきもの・タイル製造の可能性を広げるのに欠かせない技法です。

ゴシック・バロック様式のような装飾性の高い建築のオーナメント・モールディング製作や、立体造形を生かしたオーダータイルのご注文は、弊社にご相談ください。

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