オーストラリア出張
これまでアメリカやイタリアをはじめ10数か国を歴訪しましたが、初めてのオーストラリア訪問となりました。今回の出張の目的は、オーストラリアのビジネスパートナーに「日本のタイルの特徴」をお伝えすること。
近年、オーストラリアではジャパニーズタイルの需要が高まっており、輸出量も増加傾向にあります。コロナ期間中、ご縁がありオーストラリアの設計士さんと知り合うことができました。
彼らと初対面を果たし、国産タイルについてより深く知っていただくため、メルボルン・シドニーを訪れました。出張中に両市内で目にした、現代的なアートやオブジェ・モダン建築物についてもご紹介いたします。
- ※この記事は「News Letter Vol.33」の内容を再編集したものです。
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メルボルン・シドニーの設計事務所にて
両市の計八カ所の設計事務所やデザインオフィスで「Characteristic of Japanese Tiles(日本のタイルの特徴)」のプレゼンテーションを行いました。
日本製タイルを初めて見る設計士さんにも、日本でのタイルの製造工程と色ムラが生まれる理由に納得していただくことができました。プレゼンテーションを通して、多くの方にMade in Japanタイルの良さを伝えることができたと感じています。
海外のタイル製法では表現することができない日本のタイルは、海外の方から「扱いづらいタイル」というイメージを持たれることが多いです。
しかし今回の訪問で、情熱をもって説明することで、国産タイルの特徴である「焼き物らしさ」についてご理解いただき、それが「他にはない良さなのだ」と受け入れていただけることが明らかになりました。
国内外で、日本のタイルに対するイメージが異なります。プレゼンテーションを行い、時間をかけて説明していくことが、認識のズレをなくす一番の近道だと考えています。
Melbourne Now
メルボルン市内で開催されていた「Melbourne Now」に足を運びました。Melbourne Nowとは、ヴィクトリア州を拠点として活動する、200人以上のアーティストやデザイナーの作品が展示される、現代アートの展示会です。
日本人による作品や、焼き物アートも数多く展示されており、アーティストの方々に来年の第三回国際陶磁器フェスティバルへの参加をお願いしてきました。この会場だけでなく、メルボルン市内の各種文化施設が無料解放されており、どなたでも創造性豊かなアート作品を見ることができます。
オーストラリアの歴史的建造物
今回訪れた2都市では、イギリス統治時代の面影が残るヴィクリア様式の建物が数多く残り、広い公園や木々の緑に映える美しい街並みが印象的でした。その中でも特に印象に残った、歴史的建造物をご紹介いたします。
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インターコンチネル メルボルン ザ リアルト(メルボルン)
リアルトビル、ウィンフィールドビルの二つの異なる様式の建物によって構成され、ビル間は屋根で繋がっており中央部はレストランとなっています。
リアルトビルはネオゴシック様式、ウィンフィールドビルはクイーンアン様式で建設されています。
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フリンダース・ストリート駅(メルボルン)
1854年に開業された、オーストラリア初の鉄道駅。当時は「メルボルン駅」と呼ばれ、メルボルン市内とメルボルン港を結ぶ鉄道の始発駅でした。
利用者増加に伴い駅舎の建て替えられることとなり、公募によりデザインが決定しました。新駅舎はフレンチ・ルネサンス様式で石材が使われる計画でしたが、予算削減によりリセメント仕様となりました。
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セント・メアリー大聖堂(シドニー)
オーストラリア最古のカトリック教会。南半球最大のゴシック建築と言われており、高さ74mの塔を2つ持ち、奥行きは最大107mにまで及びます。
1865年の火災により焼失、60年以上もの歳月をかけ、1928年に現在の姿に再建されました。
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オペラハウス(シドニー)
海に浮かぶ帆船をイメージした外観が特徴のオーストラリアの象徴的建築物。屋根と外壁を兼ねる「シェル」には、白色と淡い桃色のスウェーデン製のタイルが計105万6006枚使用されています。
1973年の竣工から現在まで、5年毎に全てのタイルの点検・清掃・強度の確認・張替が行われています。
まとめ
いかがでしたか?今回はオーストラリア出張の様子をご紹介しました。オーストラリアのビジネスパートナーとの初対面を果たすことができ、私の長年の夢を叶えることができた、実りのある訪問となりました。
今後も日本製タイルの魅力を世界に発信し、世界から見た国産タイルのイメージを変えるための活動を続けて参ります。
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