石材について
自然界が何十億年という果てしない年月をかけて育てあげた石。石の最大の魅力は、本物の存在感と石本来の持ち味。風化した石には味があります。今回は、石材についてご紹介します。
- ※この記事は「News Letter Vol.7」の内容を再編集したものです。
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石材の歴史
人間による岩石の利用は石器時代までさかのぼります。種々の岩石で石器がつくられていました。紀元前2000年ごろには、エジプトでピラミッドが建設され、古代インドやインカ帝国などにも巨大な石造物ができました。ギリシア、ローマなどの神殿や彫刻、中世の教会建築など、民族の歴史が石材に刻み込まれています。
日本で土木、建築に本格的に利用されるようになったのは、ヨーロッパ文化が入ってきた明治以後のことです。日本は地震が多いので、石材は構造用よりはむしろ装飾用の建築材料として使われることが多く、そのため美観が重要視される傾向があります。
日本一、たくさん石材を使った建築物は?
それは「国会議事堂」です。1887年(明治20年)にその建設が決定され、国産の石材が使用されることになりました。外装には3種類の花崗岩、34万切れ、内装には33種類の大理石3万7千切れ、2種類の蛇紋岩をはじめ、全国から最高級の石材が集められました。
※【石材使用量】花崗岩:25,500t、大理石:2800t
石材の種類
天然石とは、人工的に合成されたもの以外の鉱物や岩石の総称です。天然石には、どのような種類があるのでしょうか?
天然石には主に、火山岩や深成岩などマグマが冷えて固まった「火成岩」、水などの流れによって運ばれたものが固まってできた「堆積岩」、元々あった岩石が地下の高い温度や圧力で変質してできた「変成岩」があります。
火成岩
堆積岩
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石灰岩
貝などの生物の遺骸が堆積して形成された岩石。フランス、スペイン、ドイツ等ヨーロッパで多く産出。ベージュ等の淡い色調が多く、やわらかな質感が特長です。一般的にはライムストーンと呼ばれています。炭酸カルシウムが主成分なので、酸に弱い性質があります。
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砂岩
地表の岩石が風化してできた岩石片や鉱物片が堆積してできた岩石。原産国はインド、オーストラリア、北アフリカ、中東など。平滑な仕上よりも割肌等で多く使用されます。
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凝灰岩
溶岩・軽石・火山灰の堆積によって形成された岩石。日本国内では、大谷石、十和田石、伊豆青石等が代表的。耐火性が強い石材です。割れ方に方向性がなく軟らかいため加工しやすいですが、風化しやすいため微細な細工には不向きです。
変成岩
「岩」と「石」の違いは?
岩は、人の手では動かせないほどの大きさのもので、人為的に配置されたものでなく自然のもの。
石は、人の手で動かすことのできるくらいの大きさのもの。また、石材として使用されるもの。
大理石と御影石
建材として使用される石材で、よく耳にするのが大理石と御影石。どちらも、石の色や模様が豊富で、磨くと光沢が出ます。いったいどんな違いがあるのでしょう。
大理石
石材の仕上方法
石の素材を活かすための様々な仕上方法をご紹介します。
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研磨仕上
スラブ材より、ダイヤモンドソーと呼ばれる切削機で切り出し、研磨機で「荒磨き → 水磨き → 本磨き」の順に磨いて仕上げます。
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割肌仕上
原石を人為的に割った肌を使用したもの。
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粗面仕上
ジェットバーナーで、石の表面に1800℃の火炎を当て、焼き飛ばして仕上げたもの。
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叩き仕上
- ノミ切り:ノミで『割肌』を平坦に加工したもの。
- ビシャン:ピラミッド状の形をしたノミを使用し仕上げたもの。
- こたたき:横一文字のノミを使用し、一方方向に叩いて仕上げます。
石材の加工方法
タンブル加工
ボールミルという機械などを使って、石材の尖った角に、自然な丸みを持たせる加工。アンティークな風合いを演出します。
ウォータージェット
高圧力で水をあて、石材をカットします。曲面や窓抜きのほか、文字や複雑な形状も可能です。
サンドブラスト
細かな砂を表面に当てて、彫り加工を施します。主に、文字彫りやノンスリップ加工で使われています。
まとめ
いかがでしたか?長い年月をかけて、自然に生み出された石には、やはり不思議な魅力があります。天然素材ならではの存在感と質感は、太古の時代から私たちを魅了し続けています。
弊社・エクシィズでも、建材用の石材を幅広く取り扱っております。この機会に、是非、弊社の石材ラインナップをご覧ください。
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