出展報告:TAJIMI CUSTOM TILES TOKYO 2020 @MAHAL(東京・神宮前)
2020年10月31日(土)~11月3日(火)、東京・渋谷区神宮前のマハールにてTajimi Custom Tilesのお披露目イベント 「TAJIMI CUSTOM TILES TOKYO 2020」を開催しました。
新型コロナウィルスの流行により開催が危ぶまれましたが、万全の感染対策を行い、また、当日は予想を遥かに超える多くの方にご来場頂き、この展示会を大成功に終えることができました。今回は、そのイベントの様子をご紹介いたします。
- ※この記事は「News Letter Vol.26」の内容を再編集したものです。
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◆「バーチャル展示会」開催中!
展示会にご来場いただけなかった方も、「バーチャル展示会」にてご覧いただけます。
TAJIMI CUSTOM TILESとは?
岐阜県多治見市で育まれた伝統と職人の卓越した技をふんだんに生かしながら、より自由で想像力に満ちたデザインのタイルをつくりたい̶その思いから始まった「TAJIMI CUSTOM TILES」。オリジナルデザインから既製品のカスタム、複雑な形状や微妙な色調整まで、国内外を問わず、あらゆる地域からのリクエストに対応いたします。
こだわりの仕立服をつくる「ビスポーク」の感覚にならい、きめ細やかな対話を通じて、建築家やインテリアデザイナーが求めるタイルを忠実に実現していきます。
2人のアーティストと、展示作品について
WORKING TILE - Max Lamb
多治見が持つ独自のタイル製造システムをベースに、Tajimi Custom Tiles が実現すべきものとは何だろうか。この問いを繰り返すなかで、マックス· ラムは、多様な形状をした3D のタイルの製作にたどり着きました。立体的なタイルをパズルのように組み合わせることで生まれる、フラワーベースやローテーブル、ベンチ、パーティションといった、さまざまなバリエーションのアイテム。土の魅力を最大限に引き出すべく素材を選び抜き、同時に日本の伝統的なタイルに見られる静かで深い奥行きを持つ色味を現代に蘇らせるべく、特殊な釉薬を使用しています。また、そのボリュームのある立体的な形は、鋳込成形により実現しています。
Max Lamb (マックス・ラム)
ロンドンを拠点に素材の探究と自らの手で数々のプロダクトを作り上げていくスタイルのデザイナー。
1980年イギリス生まれ。ノーサン・ブリア大学で立体デザインを、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)でプロダクトデザインを学び、2008年独立。デザイナーとして活躍しながら、素材の知識と、卓越した造形力とものづくりの技を生かし、自ら数々のプロダクトを作り上げている。Peter Walker Award for Innovation in Furniture Design(2003)、the Hettich International Design Award(2004)の受賞をきっかけに、メーカーと協業をスタート。世界各地の美術館やギャラリーで個展を開催。RCAで教鞭も執っている。
TIDE - Kwangho Lee
多治見特有の押出成形技術に着目したイ· カンホは、異なる長さの成形を可能にするループをかたどったモジュールをデザインすることにより、多様な機能を提案。モジュールは縦横の両方向に重ね合わせることができ、組み合わせ次第で壁やベンチなど、さまざまな展開が可能です。モジュールを一列に並べると手で描いたようなループ模様が連続して見え、まるでニット生地にも似た豊かな表情が現れます。「ニット」はイ· カンホにとって創作の重要なテーマでもあり、異なる素材、スケールの作品をこれまでにも多く手がけています。本プロジェクトでは、初めは非常に柔らかく、製造の過程で次第に固さを増していく土の素性をデザインで表現したものです。
Kwangho Lee (イ・カンホ)
ソウルを拠点に身近な素材を違った解釈で新たな意味や機能を持つモノへと変化させるデザイナー。
1981年韓国生まれ。金属工芸とデザインを学びソウルにデザインスタジオを設立。彼は、何気ない景色に潜むかすかな事象の発見、再検証、再解釈を繰り返しながら、素材の特性や接合方法などを見極め、そこから新しい可能性を持つ日常のデザインを見出す。2009年Design Miami/Baselの審査員特別賞など受賞多数。また、世界各国で個展を開催。イ・カンホの作品は、モントリオール美術館や、サンフランシスコ近代美術館のパーマネントコレクション入りを果たし、世界各国で注目をされている。
オーダータイルの事例
「TAJIMI CUSTOM TILES」のオーダータイルは、様々なプロジェクトで採用され、クリエイティビティ溢れる、よりデザイン性の高い空間づくりに活用されています。展示会では、それらの一例をご紹介しました。
展示会を終えて
2018年4月のミラノサローネで初めてnendoさんのパビリオンで展示をして、タイルの新しい在り方、見せ方を再認識しました。それから1年半の準備を経て、今年4月開催予定だったサローネ単独出展に向け、名古屋港を出発した40'コンテナいっぱいの荷物は、コロナ禍の中止決定により、ミラノ通関もしないまま、泣く泣く日本にUターンさせることになりました。
世界的に著名なアーティストのインスタレーションという形式での空間展示は、本来はサローネの後、逆輸入のような形で国内初披露したかったわけですが、それが叶わない今、結果として初お披露目となったのが今回の渋谷Mahalでの展示でした。
コロナ禍で招待客中心の限られた展示会であり、インスタレーション形式が国内でどのように評価されるかの不安もありましたが、その心配は早くも初日に払拭され、当日参加を含め580名もの来場者に恵まれました。お客様の多くは業界関係者ではなかったこと、今回のイベントを通し、タイルのおもしろさや可能性に新たな気づきがあり、口々に「タイルっていいね!」の言葉をいただけたことが最大の成果だと思っています。
また、イベント前のプレス関係者への告知や、期間中のインスタグラムでの来場者からの発信など、メディアやSNSを利用した、拡散型の宣伝方法について改めてその効果と重要性を確認した1週間でした。この貴重な経験を生かし、今後は更に広報活動に力を入れ、多治見のタイルのプロモーションにつなげたいと思っています。
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