鋳込み成形について
今回は、石膏型に泥漿(でいしょう)と呼ばれる泥を注入し、やきものを成形する伝統的な製法「鋳込み成形」についてご紹介いたします。
- ※この記事は「News Letter Vol.2」の内容を再編集したものです。
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ガバ鋳込み成形について
ガバ鋳込み(排泥鋳込み)は、古くから陶磁器製造の成形方法の一つとして用いられています。石膏による分割した割型の中に泥漿を流し込むと、石膏が水分を吸って、外側の泥漿が固まります。
乾いた泥漿が必要な厚みになったら、型を逆さまにし余分な泥漿を捨て、割型を外すと型どおりの形状に仕上がります。排泥する際、ガバッと捨てることから『ガバ鋳込み』と呼ばれます。
主に急須や花瓶など、立体的で内側が空洞の陶器を作るときに使われる製法で、現在この技術を持つメーカー・生地業者が少なくなりつつある、貴重な技術の一つです。
鋳込み成形のタイル
タイルにおいても、押出成形やプレス成形では作ることのできない立体的な形状を求められる際には、「鋳込み成形」が用いられることがあります。
重ねた石膏型の下から圧力を加えた泥漿を流し込む「圧力鋳込み」という方法で作られます。泥を捨てずに丸ごと乾燥させ、ほどよく固まった成形体を型から外して焼成します。型から外す作業やバリ取りを一つ一つ手作業で行うため、タイル製法の中でも非常に手間と技術が必要な成形方法です。
まとめ
いかがでしたか?鋳込み成形は非常に手間がかかりますが、複雑な形状を作り出せるため、やきもの・タイル製造の可能性を広げるのに欠かせない技法です。
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