投稿日：2022.12.12

製品紹介：陶波

今回は、エクシィズの総合カタログ「Scape Design Vol.6」から、有機的な立体形状と、貫入釉が美しい和タイル「陶波(とうは)」をご紹介いたします。

「貫入(かんにゅう)」とは？
繊細な貫入模様と、淡い色合いが美しいタイル
施工事例：陶波
まとめ

「貫入(かんにゅう)」とは？

「貫入」は、陶磁器などに用いられる技法のひとつで、焼成後の素地と釉薬の収縮率の違いによって起こる現象です。

タイルを窯に入れて、焼くと膨張し、その後、冷ますと収縮を起こします。この時、タイル素地の収縮よりも、釉薬の収縮の方が大きいと、釉薬の表面に亀裂が入ります。このヒビ割れの模様のことを「貫入(かんにゅう)」と言い、貫入を意図的に起こすために作られた釉薬を「貫入釉(かんにゅうゆう)」と呼んでいます。

貫入釉を施釉したタイルを窯から出して、外気で冷ます際、パキパキとガラスが割れるような小さな音が鳴り、貫入が生じていくようすは、とても幻想的な光景です。

焼成後、外気で冷ますと、パキパキと音を立てながら、貫入が生じます。

繊細な貫入模様と、淡い色合いが美しいタイル

「陶波(とうは)」は、この貫入による繊細で美しい模様を最大限に愉しめるタイルです。淡いシンプルなカラーバリエーション、釉薬の自然な色ムラ感、陰影を引き立てる有機的な立体形状が、ガラス質の表面に現れる貫入釉の表情を際立たせます。

主なサイズバリエーションは「60×120mm（フラット / 凸 / 凹）」「30×120mm（凸 / 凹）」の5種類。全5カラーのラインナップです。その他にも、モールディングやアクセントタイル、役物形状も注文可能で、様々なタイリングをお楽しみいただけます。

有機的な曲面形状が、貫入の模様を際立たせます。
淡い自然な色ムラ感が、壁面に変化を与えてくれます。

施工事例：陶波

陶波の採用事例として印象的だったのは、小学校の階段踊り場の壁面に施工された、特注色の陶波。打ちっぱなしのコンクリートの無機質な雰囲気と、天然木の温もりのコントラストを活かした空間に、3階までそびえ立つタイル壁面は、非常に洗練されており、有機性と無機性の絶妙なバランス感覚は、商業施設などの空間デザインにも参考にしたい事例です。