温泉・大浴場のタイル

【写真】潮崎の湯 やぶ萬

大浴場といえば、ローマ時代の公衆浴場(テルマエ)にまで遡り、当時から既にタイルが使用されていました。タイルは、耐久性・耐火性・耐水性・耐候性に優れ、水回りでも長く利用できるメリットがあり、二千年の年月を経た現在でも、浴場のメイン建材であり続けています。今回は、そんな温泉・大浴場・クア施設のタイルについて、ご紹介いたします。

大浴場のタイル選びのポイント

浴場は、何といっても人肌が直接触れる場所。怪我をしないのは勿論のこと、安心して快適に利用できることが第一条件です。

また、常にお湯に触れていても長く使い続けられる耐久性も求められます。特に温泉では、温泉成分による劣化なども考えられますので、注意が必要です。

上記のことを踏まえ、デザイン・テイストと、機能性のバランスを考えながら、ゆったりとくつろげる雰囲気づくりを目指していきます。

大浴場の床面タイル

水回りの床面タイルは、濡れた状態でも滑りにくいのが第一条件です。裸の状態で転倒したら、大怪我にも繋がりかねません。

また、素足で歩行しても痛くないこともポイント。エッジが尖っていると歩行しにくく、足を切ってしまう恐れもあります。エッジ部分が滑らかに仕上げられた「クラシカル」などは、浴場床面に最適なタイルといえます。

  • 防滑性・防汚性に優れた「レンジサーフ」を使用し、安全性やメンテナンス性に配慮。直線を基調としつつ、ボーダーやモザイクなど、様々なサイズのタイルを組み合わせることで、バランスの取れた浴室空間に仕上がっています。

  • 焼き物の風合いが豊かな「クラシカル乱形」は、和の趣を演出するのにお薦めのタイル。鋳込み成形で作られているので、エッジ部分が優しく、素足歩行にも適しています。

  • 「コットベネット 100角」の床に、くろがね色の「クラシカル乱形」をアクセントとして配置。「和と洋」「直線と曲線」を上手く組み合わせた事例。

  • アンティークなイタリア製大理石タイル「コットベネット」による床面タイルアート。タンブル加工で丸みを持たせているので、足に優しいのもポイントです。

  • 明るい南欧風の露天には「クラシカル乱形」と「コットベネット(大理石)」を採用。壁面のレンガタイルや、浴槽のブルーのモザイクタイルとのコーディネートで、爽やかな空間を演出しています。

滑り抵抗係数 (CSR値 / CSR-B値)

床面の滑り度合の評価基準として「滑り抵抗係数 (CSR:Coefficient of Slip Resistance)」があります。また、水濡れした浴室床を裸足で歩行した場合は「CSR-B値」を測定し、滑り具合の基準とします。

弊社の床タイル「レンジサーフ」は、特殊な滑り止め効果のある釉薬を使用し、大浴場での推奨値「CSR-B=0.7以上」をはるかに上回る「CSR-B=1.48」を記録。驚異の防滑性能で、防汚性能にも優れています。

素足の場合の耐滑り性
床の種類 単位空間等 CSR-B
推奨値
素足で動作し、大量の水や
石鹼水などがかかる床
浴室(大浴場)・プールサイド・
シャワー室・更衣室の床
0.7以上
客室の浴室・シャワー室の床 0.6以上

※国土交通省「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(平成24年)」より

浴槽タイル

浴槽も、人肌が触れる場所ですので、快適に利用できることが大切なことです。パターン貼りのモザイクタイルで仕上げたり、石材が使用されたり、コンセプトに合わせて使い分けます。

  • 浴槽を、透明感のあるガラス質のモザイクで仕上げたい場合は「ギヤマンモザイク」がおすすめ。丸みを帯びた形状で素足にも優しく、耐候性にも優れた、万能モザイクタイルです。

  • 窯変釉による色の揺らぎが美しい「シーブリーズ」も、浴槽タイルにおすすめのモザイクタイル。

    • 【写真】宮古島来間リゾート シーウッドホテル
    • 【浴槽側面】シーブリーズ
  • 滑りにくく、保温性・保湿性・防カビ性に優れた「十和田石」は、美しい石面表情が魅力の石材。浴槽にはもちろん、浴場床面にもおすすめです。

  • 「みかほ石」による岩風呂。他にも浴槽用の石材としては、ミル加工でエッジを取った「鉄平石」もおすすめです。

    • 【写真】めぐみの湯
    • 【浴槽・浴槽壁面】みかほ石
  • ジェットバスの浴槽側面部に、オーバーフローエッジと排水側溝が一体になった役物タイルを使用。すっきりとした排水システムにまとめました。

陶器浴槽・ヒノキ風呂

つぼ湯などの用途には、陶製浴槽やヒノキ風呂を配置することで、浴場のアクセントにもなります。オーダーのご要望も、お気軽にご相談ください。

  • めぐみの湯。焼き物らしい、鮮やかな色合いの陶器風呂

  • シンプルでモダンなテイストの陶器浴槽も。

  • 美しいフォルムの檜風呂。上質で洗練された空間演出に。


温泉専用の接着剤・目地材

温泉の浴槽にタイル施工をする場合、温泉成分やphなどにも、気を配る必要があります。特に炭酸泉では、微細な炭酸ガスの影響で、通常のセメント目地だとすぐに劣化してしまい、ボロボロになってしまいます。また、接着剤にまで侵入すると、タイルの剥落を起こす可能性もあります。

「スパボンド / スパメジ」なら、耐酸性・耐アルカリ性・耐温水性などに優れ、温泉の浴槽にも安心して使用できます。


浴槽の掃除について

  • 浴槽内の白いシミや塊

    これはエフロ(白華)と言い、セメントの炭酸カルシウムが表面に出てきて固まったものです。大きくなったものは、ヘラなどで削り取り、タイルウォッシュなどでしっかり洗い流します。目地などのカビ・鉄分がこびりついた汚れの除去にも効果的です。

  • 浴槽のぬめり

    これもセメントからの炭酸カルシウムが原因ですが、それに皮脂が結合して、通常の清掃では除去が困難です。このような場合、「タイルウォッシュ」または市販の「バスマジックリン」などの中性洗剤で、丁寧に清掃すれば改善されます。

  • 浴槽のしつこいカビ

    市販の「カビキラー」等、塩素系の液で清掃すると綺麗になります。また、殺菌剤として濾過に使用している塩素を、少し薄めて使用するのも効果があります。

大浴場の壁面タイルほか

壁面は、浴場の雰囲気を決める箇所。他所にはない、魅力的な世界観を表現するために、大きなモザイクアートで飾ることもあります。定番の「富士山の絵タイル」も、よくご相談いただくモチーフですね。


  • 全面「モノモザイク」による採暖室。このようなモザイクタイルによる非日常な空間は、スパ施設ならではの演出かも。

  • ローマの浴場を彷彿とさせる、ミル掛けしたアンティーク調大理石タイルによる壁面。

  • クラッシュタイルによる特注タイルアートが際立つ、ファンタジックな世界観が印象的。

    • 【写真】箱根小涌園ユネッサン
    • 【壁面】特注クラッシュタイルアート 【浴槽床面】ギヤマンモザイク
  • ガラスタイルによるモザイクタイルアート。タイルアート職人による作品が、浴室を特別な空間へと変えてくれます。

  • モザイクタイルによるサウナ用ベンチ。「ギヤマンモザイク」は、ガラス質の透明感が美しい、水回りの定番モザイクタイルです。

  • サウナ室の壁面は、木製ベンチに合わせた、落ち着いた色合いのボーダータイルを採用。

    • 【写真】早稲田スイミングスクール 三郷
    • 【壁面】安土無釉

まとめ

いかがでしたか? 大浴場は、注意すべきポイントもありますが、タイルによる空間演出の「魅せ場」のひとつといえるでしょう。

温浴施設の案件でお悩みの際は、エクシィズまでお気軽にご相談ください!

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